2025.01.12
電子カルテとレセコンの違い・連携のメリットを徹底解説
電子カルテとレセコン(レセプトコンピューター)の違いを知っていますか?
どちらも医療機関で利用されるシステムですが、電子カルテは診療情報の管理のために利用するもの、レセコンは請求情報の管理やレセプト作成のために利用するもの、という違いがあります。
本記事では、そんな両システムの違いや特徴、さらに連携利用することで得られるメリットなどについて詳しくご紹介します。

レセコンとは
レセコン(レセプトコンピュータ)は、医療機関で使用されるコンピュータシステムで、主に診療報酬請求業務を効率化するためのツールです。
レセコンの他には「医療コンピュータ」「医療事務システム」とも呼ばれます。
診療報酬請求書(レセプト)の作成、管理、送信機能に特化しており、主に事務業務の負担軽減を目的に、多くの医療機関で導入されています。
レセコンは、正確性と共にスピード感が求められる現代の医療提供において、欠かすことのできない重要なツールの一つとなっています。
レセコンの基本機能と特長
レセコンは、受付や会計などの医療事務スタッフが使用するのが一般的で、インターネットが使用できる環境であればどの医療機関にも導入できます。
レセコンでは、以下のような業務をスタッフに代わって自動で行う事ができます。
定期的に行われる診療報酬改定にも即座に対応でき、常に正確な保険点数やルールに基づいた請求が可能です。
・レセプト(診療報酬明細書)の作成
・診療内容の登録と点数計算
・処方箋の発行
・受付/請求業務の管理
・電子カルテとの連携
レセコンの導入メリット
レセコンを導入する大きなメリットは、業務の効率化です。
レセプト作成は、従来であれば医療事務に関する専門資格を有する者が行うのが一般的で、複雑な知識や計算を要する作業です。
レセコンを活用することで、点数計算や記録などの複雑な業務を自動化でき、作業時間を大幅に短縮することができます。
さらにレセコンに備わる入力支援機能やエラーチェック機能を活用することで入力ミスや確認不足の軽減も期待でき、業務の効率化だけでなく医療サービスの品質向上にも繋がります。
現在ではこれらのメリットから、多くの医療機関や薬局においてレセコンの積極的な導入が進んでおり、その普及率は96.7%に達しています。
出典】社会保険診療報酬支払基金『請求状況(令和6年2月診療分)』
https://www.ssk.or.jp/tokeijoho/tokeijoho_rezept/tokeijoho_rezept_r05.files/seikyu_0602.pdf
電子カルテとは
電子カルテとは、診療内容や検査結果、処方薬や紹介状の記録といった患者の診療録(カルテ)をデジタル化して一括管理するシステムです。
電子カルテを導入することで従来の紙カルテよりも情報共有が容易となり、業務効率化やミスの削減、より安全な医療の提供につながるなど、多くのメリットが得られます。
電子カルテとレセコンの違い
ここからは、似ているようで実は全く違うシステムである、電子カルテとレセコンの違いについて詳しく解説します。
| 電子カルテ | レセコン | |
| 目的 |
・診療内容を記載する |
・会計情報を管理する |
| 使用者 |
医師・看護師・検査技師・薬剤師など |
医療事務担当者・会計担当 |
目的の違い
電子カルテとレセコン、どちらも医療機関で用いられるシステムですが、その用途は大きく異なります。
・電子カルテの目的:診療内容を記録する / 医療情報を管理する
・レセコンの目的: 会計情報を管理する / 診療報酬の請求業務に使用する
医師の診察業務を中心に、効率的な患者情報管理を求めるのであれば電子カルテの導入が、会計業務を効率化したい場合はレセコンの導入が必要です。
使用者の違い
電子カルテとレセコンでは、使用者も違います。
電子カルテの使用者:医師・看護師・検査技師・薬剤師など(実際に医療を行う人)レセコンの使用者:医療事務担当者・会計担当(会計情報を管理する人)
電子カルテとレセコンの連携メリット
電子カルテとレセコンはどちらも単体で導入できますが、連携利用することによってさらに新たなメリットが生まれます。
業務効率化
電子カルテとレセコンを連携させることで受付~診療~会計までの情報を一元管理できるようになり、より一層の業務効率化が期待できます。
連携していることでカルテ情報を会計業務の際にそのまま反映でき、請求書作成時やレセプト作成時に情報照会や入力の手間を省けるなどのメリットがあります。
入力ミスの低減
電子カルテとレセコンを連携させると両システム間において、自動的に情報の統合性を図ることができます。
一人ひとりの患者情報が自動で紐づけされ、両システムに同じデータが自動で反映されるため、誤って片方のシステムに違う情報が入力されるなどのミスを防ぐ効果があります。
連携がない場合では入力業務が二度手間になるほか、作業量が増えることによる入力ミスが起こる可能性も高まります。
また、入力ミスが起きたことでどちらのシステムに入った情報が正しいのかわからなくなる等の混乱が生じるリスクもあります。
電子カルテとレセコンの連携デメリット
電子カルテとレセコンを連携すると「システムに障害が起きた場合、双方のシステムが影響を受ける」という事になり、連携することで生じるデメリットと言えます。
電子カルテとレセコンの双方が同時に使用できなくなれば、診療に大きな支障が生じてしまいます。
電子カルテとレセコンを連携する際は、下記のようにシステム障害発生時の対処方法を考えておく必要があります。
・こまめにバックアップデータを残す
・システムダウン時に別のデバイスから確認できるように備える
・一時的に紙ベースの運用に切り替えられる体制作りをしておく など
トラブルへの対策をしっかり取りつつ、賢く双方のシステムを活用していきましょう。
おすすめの電子カルテ・レセコン連携
電子カルテやレセコンには多くの種類があり、どれを選べばよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで、電子カルテとレセコンの連携を前提に、おすすめの製品をご紹介します。
ウェブカルテ(株式会社医療情報システム)|電子カルテ
WEB型電子カルテシステム「ウェブカルテ」は、直感的な操作・視認性の高いカルテ画面で、誰もが快適に扱うことのできる電子カルテシステムです。
インターネット用のブラウザで操作するので、パソコンが苦手な方でもインターネット感覚で簡単に操作ができるという特徴があります。
おすすめ機能はカルテ作成がスピーディに行える「Do機能」です。
Do機能を使えば、入力済みのデータを複写して新しい診療データを追加できるので作業効率が大幅にアップします。
また、医薬品マスタの取り込み機能や、訪問診療時に院外からも接続できる機能など、業務効率化をサポートする機能が満載です。
また、「ウェブカルテ」には、バックアップサーバが標準で搭載されているため、万が一の障害時でも診療業務を中断することなく続けられます。
専用ソフトが不要でWindows OSがあれば導入できるため拡張性にも優れています。
ハードウェアの老朽化に伴う機器の更新や端末の追加も柔軟に行うことが可能です。
【主な特長】
・使いやすいインターフェース
・Do機能(入力済みデータを複写して、新規データを迅速に入力できる。)
・ブラウザベースの操作感
・マルチベンダー方式に対応
(レセコン:富士通HOPE、ナイスMLA、ORCA)や介護システム等と連携可能
・バックアップサーバ標準搭載
・優れた拡張性
・システム導入後も機能追加・強化・改善を実施(無償)
【参考】電子カルテシステム「ウェブカルテ」|株式会社医療情報システム
https://webkarte.iryojoho.jp/
HOPE SX-T(富士通)|レセコン
「HOPE SX-T」は、累計50,000を超える豊富な導入実績に裏付けされた医療事務システムです。
医療事務の業務改革を実現する、以下3つのコンセプトを掲げています。
1.医事会計システムにおける新たな機能提供
2.新デザインによるプラットフォームの変革
3.三密回避を実現する患者導線の変革
月末と月初めに集中しやすい業務の平準化を図れる「レセプトデータ自動作成機能」や「レセプトチェック機能」で医療業務を強力にサポートします。
また非接触型受付・決済機能などの患者向けサービスも充実しています。
もちろん先ほど紹介した電子カルテ「ウェブカルテ」との連携利用も可能です。
【特徴】
・会計業務の負担を軽減する多彩なサポート機能
・入力・操作のアシストツール
・様々なシステム・機器との連携に幅広く対応
・全国の認定販売代理店と富士通Japanが強力に連携した万全のサポート体制
・タイムライン形式のリアルタイムな情報共有で医療と介護の連携可能
・スマートデバイスやPCによる予約機能(患者サービスの向上)
・施設規模の目安:無床~300床
【参考】診療所様向け医療事務システム HOPE SX-T | 富士通
https://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/healthcare/products/sxt/#b
ML-A Plus(株式会社ナイス)|レセコン
医療会計システム「ML-A Plus」は、優れた操作性や充実した入力支援機能により、医事会計業務の効率化を促進します。
ハイレベルの自動計算・算定チェック機能により、算定漏れや過剰請求による査定を防ぎます。
また、視認性に優れた画面表示やマイメニュー機能、様々な条件から検索・抽出できる機能など、業務効率を大幅にアップする便利機能がたくさん備わっていることも特徴です。
充実したサブシステム群により、医療機関のニーズに合わせたシステム導入が可能ですよ。
こちらの製品も、先ほどご紹介した電子カルテ「ウェブカルテ」との連携利用ができます。
【特徴】
・よく使う機能を「マイメニュー」登録できる
・業務マニュアルをボタン一つで即表示できる「ヘルプ機能」
・視認性に優れたフルHDモニタ表示対応
・作業効率アップに役立つ各種コメント自動印字機能
・電子カルテなど多様なシステムとの接続、連携を実現(マルチベンダー対応)
【参考】ML-A Plus| 株式会社ナイス
https://www.naiscorp.co.jp/medical-system/ml-a-plus/
ORCA(日本医師会)|レセコン
「ORCA(オルカ)」は医療現場のIT化を推進する日本医師会が提供する、「日医業準レセプトソフト」です。
さまざまなメーカーが手がけるレセコンの中でもORCAは特に信頼性・人気が高く、レセコン市場で国内でも高いシェア率を誇っています。
医療現場からの要望を積極的に取り入れ、定期的にソフトウェアのバージョンアップを行っており、追加費用無しで最新マスタをインターネットから手軽に入手できることが大きな特徴です。
ORCAは院内サーバ版とクラウド版の2つから選択でき、自院の使い勝手に合わせた選択が可能です。
こちらも先に紹介した電子カルテシステム「ウェブカルテ」と連携可能です。
連携利用することで患者情報の管理やレセプト作成がよりスムーズに行え、事務負担を大幅に軽減することができます。
【特徴】
・レセプト電算処理システムが標準装備
・常にプログラム更新を行っており、信頼性が高い
・診療報酬改訂にも迅速に対応
・拡張性が高い
【参考】ORCA Project|日本医師会ORCA管理機構
https://www.orca.med.or.jp/
電子カルテとレセコン一体型システム
レセコンと電子カルテを連携利用するにあたり、2つのシステムをそれぞれ用意する他に「電子カルテ・レセコン一体型システム」を利用するという選択肢もあります。
情報の整合性が保ちやすくメンテナンスもしやすいというメリットがあり、新規開業時にはこの「電子カルテ・レセコン一体型システム」が選択されるケースもあります。
ただし、一体型であるためトラブルやシステムに障害が発生した際には電子カルテ・レセコンのどちらも使えなくなってしまうという点がデメリットと言えます。
導入する際には、必要なタイミングでサポートを受けられる仕組みになっているか、どのようなサポートを受けられるのか、対象となる範囲や対応時間などをしっかりと確認しておくことが重要です。
まとめ
電子カルテとレセコンは、どちらも医療機関にて使用されるシステムですが、使用用途や使用者が異なります。
電子カルテは診療情報の管理のために、主に医師や看護師といった医療を直接提供する人が利用します。
レセコンは請求情報の管理やレセプト作成のために、医療事務担当者・会計担などの会計情報を管理する人が利用します。
そんな電子カルテとレセコンは、連携利用することでさらなる業務の効率化やミスの防止などに繋がります。
また、これらは安全な医療の提供にも繋がり、医療現場全体の質の向上が期待できます。
より良い医療サービスの提供を目指すのであれば、両システムの導入や連携利用について前向きに検討することをおすすめします。