2025.04.15
電子カルテの連携方法と種類について|ウェブカルテ
電子カルテの連携について、その方法や種類について詳しく解説します。
電子カルテを他の部門システム(会計システムや検査システム等)と連携することで、患者の医療情報を効率的に共有・活用することができます。
これにより、データの手入力や書類作成、必要なデータが各部門に渡るまでの待ち時間など、多くの「無駄」を減らすことができ、診療のスピードや精度を大きく向上できるというメリットがあります。
また、高齢化が進む現代においては、医療の効率化を追求するだけでなく、医療の質の向上や患者の負担軽減にも注力することが重要な課題となっています。
これらを実現するためには、電子カルテと各部門システムの連携が不可欠です。
本記事では、医療システムの円滑な運営を支える「電子カルテの連携」について、わかりやすく解説します。

電子カルテ連携とは?
電子カルテ連携とは、電子カルテとその他の医療システムを連携させることで、患者一人ひとりの医療情報を直接共有・活用できる仕組みを指します。
各部門・システム間で迅速にデータを共有できることにより、効率的な医療提供が可能となります。
近年では、人手不足や労働時間の短縮を目的に、電子カルテを導入する医療機関が増えていますが、他の医療システムと連携することで、さらに一歩進んだ効率化を実現できます。
電子カルテと連携が可能なシステム
近年の電子カルテは、予約や検査、薬剤管理など、さまざまな医療システムと連携可能になっています。
では具体的に、どのようなシステムと電子カルテを連携させることができ、どのように活用できるのでしょうか。詳しくご紹介します。
予約管理・問診システム
電子カルテを予約管理システム・問診システムと連携することで、Web予約時に患者より入力されたデータを効率的に活用できるようになります。
・予約管理システムとの連携
患者がWeb予約時に入力した情報を、電子カルテに直接反映させることができます。
予約の重複や入力ミスを防ぎ、効率的な予約管理が可能となります。
・問診システムとの連携
患者がWeb上で事前に入力した問診内容が、自動的に電子カルテに登録されます。
問診票の内容を、スタッフが手動で入力する手間やミスを減らせます。
さらに患者にとっても、問診票を手書きしたり診察室で同じ説明を繰り返したりする必要がなくなるため、診療をスムーズに進められます。
検査システム
検査システムと連携することで、以下の業務を効率化することができます。
いずれの場合も手動入力の手間や記載ミスを防いで、正確かつ迅速に検査結果の共有が可能となります。
・検査結果の入力
血液検査や病理検査などの各検査結果が電子カルテに自動的に反映され、手動入力の手間を省けます。
・検査オーダー
検査オーダーが電子カルテから直接行えるため、手書きの依頼書作成の手間を省けます。
・検体ラベルの発行
検査依頼時に検体ラベルの自動発行ができます。
記載のミスや検体の識別ミスを減らし、正確な検査結果を提供できます。
これにより、診療の質の向上や患者の待ち時間短縮を期待でき、医療現場の効率化が進みます。
PACS
PACS(画像ファイリングシステム)は、MRIやCTなどで撮影した医療画像を、デジタル化して管理するシステムです。
電子カルテとPACSを連携すると画像の参照が簡便になり、画像の取り違えなどのミスを減らせます。
画像を通じて的確な判断を促し、医療の安全性向上に貢献するほか、患者の病歴や検査結果と照らし合わせて治療方針を決定する際にも大きく役立ちます。
選ぶ電子カルテの種類によっては、タブレットなどのモバイル端末から医療画像を閲覧できるものもあり、診察室以外でも柔軟に活用することも可能です。
この機能を活用することで、病室や往診時に患者本人に画像を見せながら説明するといったことも可能となり、インフォームド・コンセントの充実や患者との信頼関係の構築に大きく貢献します。
透析管理システム
透析管理システムは、透析患者の情報(治療状況、血液検査結果、投薬内容など)を一元的に記録・管理するためのシステムです。
特に透析患者は、体調の変化が急激に起こる場合も多く、慎重な観察・管理が求められます。
この透析管理システムを電子カルテと連携して情報を一元管理することで、状態変化の見落としを防ぎ、医療の質と安全性を高めることができます。
また、予約段階での患者の身体情報や処置情報が透析管理システムへ自動で反映されるため、準備や対応がよりスムーズに行えるというメリットもあります。
透析医療の質向上を図るためには、透析管理システムと電子カルテの連携が不可欠といえます。
薬剤管理システム
薬剤管理システムは、処方された薬剤の在庫管理や患者ごとの投薬履歴を一元的に管理するためのシステムです。
電子カルテと連携することで、医薬品の情報や在庫数を簡単に収集でき、業務の効率化が図れます。
また、必要な情報を迅速に取得できるだけでなく、より正確なデータを基に判断することが可能になります。
調剤システム
調剤システムと電子カルテを連携させることで、処方内容の確認や管理が効率的に行えるようになります。
特に、院内薬局がある病院では、医師が発行した処方箋のデータを薬剤師が直接確認できるため、手書きや伝達ミスによるヒューマンエラーを最小限に抑えることができます。
さらに、過去の処方薬が電子カルテで管理できることで、飲み合わせのチェックなどが容易になり、処方ミスを予防する効果も期待できます。
会計・決済システム
電子カルテと会計・決済システムを連携させることで、診療・治療内容が自動的に会計システムに反映され、スムーズな精算が可能になります。
医療費の算出時間が短縮されることで、会計業務の負担が軽減されるだけでなく、会計時の待ち時間を減らせることで患者の負担軽減にも繋がります。
手術支援システム
手術支援システムは、手術前の計画、手術中のリアルタイムデータの取得、手術後のフォローアップ時に活用されるシステムです。
電子カルテと連携することで、患者の手術歴やアレルギー情報、過去の検査データを電子カルテ上に瞬時に表示でき、手術の安全性や効率を大きく向上させることができます。
電子カルテと連携可能なデータの種類
電子カルテと連携可能なシステムについてご紹介しましたが、電子カルテと連携可能な「データの種類」はどのようなものなのでしょうか。
連携可能なデータには、主に次のようなものがあります。
・患者情報
・診療記録
・検査結果
・画像データ
・処方情報 など
これらのデータは、医療現場における円滑な情報のやり取りには欠かせません。
ただし、システムやメーカーによって、連携できる項目は異なり、部門ごとに求められるデータ項目も異なります。
効果的に運用するためには、必要な項目を明確にする、複数のシステムを1つのデータベースとして機能させる、この2つが重要です。
電子カルテとの連携方法
電子カルテとの連携では、主に以下の5つの方法が活用されています。
問診連携
問診連携は、患者の問診情報を電子カルテに直接反映させる連携方法です。
問診票をデジタル化し、患者の回答をそのまま電子カルテに反映することで、手書きで情報を記入・転記する手間やミスを軽減します。
頭書き 連携
頭書き (患者属性)連携とは、新患登録や患者の基本情報(住所、保険情報、姓名など)の変更を行った際に、その他のシステムにこれらの情報を転送する連携です。
頭書き連携を行えば、患者のID番号、氏名、性別、連絡先などの情報を連携済みのシステム全てに一斉に転送・反映できるため、手間やミスを大幅に軽減できます。
受付連携
受付連携(チェックイン連携とも呼ばれます)は、電子カルテと受付システムを連携させる方法です。
受付業務が効率化され、患者の待ち時間を大幅に短縮することができます。
また、予約時点で患者情報が即座に把握できるため、緊急性のある患者や、慎重な診察が求められる患者に対して、事前に診療準備を行うなど、迅速かつ適切な対応も可能となります。
受付連携を行うことで、スムーズな医療の提供に加え、患者一人ひとりに寄り添った対応が可能となります。
検査結果取り込み連携
検査結果取り込み連携は、外部の検査機関から得られた検査結果を電子データとして、直接電子カルテに取り込む方法です。
連携がない場合、書類で受け取った検査結果をスキャナーで一つずつ取り込み、または書類を見ながら手作業で入力する必要があり、非常に効率が悪いだけでなく、入力ミスのリスクも伴います。
一方で、検査結果取り込み連携を導入することで、検査結果をリアルタイムで自動的に電子カルテに反映させることができ、さらに結果をグラフ化して時系列で管理することが可能になります。
このように、効率化と精度向上の両方を実現できる大きなメリットがあります。
料金連携
料金連携とは、各部門で行った医療行為や検査結果を電子カルテシステムと請求システムに自動で反映させる仕組みです。これにより、患者の診療代金や診療報酬に関する請求処理が効率化され、作業負担が軽減されます。
さらに、自動精算機との連携により、会計業務にかかる人員コストを大幅に削減することができ、医療機関の運営効率を向上させることが可能となります。
電子カルテ連携のメリット
電子カルテを他のシステムと連携するメリットについて、簡単にまとめました。
① 医療業務の効率化
業務の効率化により、より多くの患者に高品質な医療サービスを提供できるようになります。
・診療情報、検査結果、処方内容などがリアルタイムで共有されるため、医師や看護師は迅速に必要な情報を確認でき、診療をスムーズに進められます。
・手作業でのデータ入力や書類移動が減少し、業務の重複や無駄を削減できます。
・患者情報がシステムで一元管理されるため、異なる部門間での情報のやり取りが迅速で正確になり、患者の診療にかかる時間が短縮されます。
② 患者の来院負担の軽減
無駄な待ち時間が減り、患者の通院にかかる時間と労力が大幅に削減されます。
・予約時に患者の診療情報が把握できるため、診察の準備をスムーズに進められます。
・検査結果や過去の診療記録が共有されることで、患者が複数の部門を訪れる際に同じ情報を繰り返し提供する必要がなくなります。
・会計手続きや処方が迅速に行われるため、長時間病院に滞在せずに済みます。
このように、電子カルテの他システムとの連携は、医療スタッフと患者の両方にとって、多くの利点をもたらします。
電子カルテ連携の注意点
多くのメリットがある一方で、電子カルテの連携を行う際には以下の点に注意が必要です。
① 適切なセキュリティ対策
患者情報は非常に重要であるため、電子カルテと連携する際は必ず適切なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。
データの漏洩や不正アクセスを防ぐために、暗号化やアクセス制限など、最新のセキュリティ基準を遵守することが求められます。
② システム間の互換性
連携するシステム間で互換性が確保されていない場合、情報の整合性が損なわれる恐れがあります。
各システムが適切に連携できるよう、医療情報のデータ連携を標準化するための国際規格「HL7 FHIR」に対応している電子カルテを選ぶことが求められます。
③ 費用面の考慮
既存システムとの連携や、それに伴うカスタマイズが必要な場合は、追加費用が発生する可能性もあります。
事前にコストをよく把握しておくことが重要です。
④ 連携実績の確認とサポート体制
電子カルテと連携可能なシステムを選ぶ際には、該当するシステムとの連携実績を確認することが求められます。
また、連携時には専属のサポート体制が整っているかどうかを確認し、トラブル発生時に迅速に対応できる体制を確保することが重要です。
これらの注意点を踏まえ、より良い電子カルテ連携を実現しましょう。
まとめ
電子カルテとその他の医療(部門)システムを連携させ、医療の効率化を図りましょう。
会計システムや検査システムといった、各システムと電子カルテを連携すると、患者の名前や住所などの基本的な情報をはじめ、診療記録や検査結果、画像データ、処方情報など、患者の医療に関する全ての情報を、各部門間で迅速に共有・活用できます。
これによりデータの手入力や待ち時間など、多くの「無駄」を省くことができるため、より安全でスピーディな医療提供体制を整えることができます。
医療業務の負担軽減と同時に、質の高い医療の提供が求められる今こそ、電子カルテの連携利用を積極的に進めていくことが必要です。